
「本革」と「合皮」の違いとは?長く使うならどちらを選ぶべきか
本革と合皮、何がどう違う?まず押さえたい基本
お財布やバッグを選ぶとき、「本革と合皮、どちらがいいのだろう?」と迷ったことがある方も多いかもしれません。
見た目はよく似ていても、本革と合皮は、素材の成り立ちや使い続けた先の姿が大きく異なります。
本革は、動物の皮をなめして作られる天然素材。
一方、合皮(フェイクレザー)は、布や樹脂の上に革のような表面加工を施した人工素材です。
どちらが「正解」ということはなく、用途や使う期間、価値観によって向き不向きが分かれる素材だと言えます。
それぞれの良さや違いを知ることで、素材選びは、もっと納得のいくものになります。
素材選びは見た目や価格も大切な基準のひとつですが、使い続ける時間や付き合い方も判断基準にすることができます。
この記事では、本革と合皮、それぞれの特徴や注意点を整理しながら、「長く使う」という視点で素材選びを考えていきます。
これからお財布やバッグを選ぶ方や、今使っているアイテムを見直したい方の参考になれば幸いです。
本革の財布を検討する際の一例として、RUBATO&Co.の長財布も参考にしてみてください。

本革の特徴|メリットと注意点
本革(天然皮革)は、牛や羊などの動物の皮を「なめし」という加工を施して作られる天然素材です。
動物の皮膚に存在するコラーゲン繊維の構造をそのまま活かしており、繊維同士が複雑に絡み合った立体的な構造を持っています。
この天然の繊維構造が、本革特有の強度としなやかさ、そして通気性を生み出しています。
特に栃木レザーのような植物タンニンでじっくりとなめされた革は、繊維が引き締まり、使い込むほどに艶や風合いが深まっていく特性を持ちます。
本革のメリット
本革の大きな魅力は、時間とともに変化していくことにあります。
使うほどに柔らかくなり、手の触れ方や持ち方によって、艶や色味が少しずつ深まっていく。
こうした経年変化(経年良化)は、本革ならではの楽しみです。
また、本革は繊維構造がしっかりしているため、適切に使えば10年以上使える耐久性を持つ素材でもあります。
縫製がほつれた場合や、金具が傷んだ場合でも、修理しながら使い続けられる点も特徴です。
本革の注意点
一方で、本革は水や湿気に弱い一面もあります。
雨に濡れたまま放置したり、通気性の悪い場所で保管すると、シミやカビの原因になることも。
また、使い始めは硬さを感じることがあり、価格帯も合皮に比べると高めです。
ただしこれらは「欠点」というより、素材の特性や選び方の前提条件として捉えるとよいでしょう。

合皮(フェイクレザー)の特徴|メリットと注意点
合皮(合成皮革)は、ポリエステルやナイロンなどの布地をベースに、その上にポリウレタン(PU)や塩化ビニル(PVC)といった合成樹脂を塗布して、革のような質感を再現した人工素材です。
天然皮革とは異なり、化学的に合成された素材であるため、量産しやすく価格も抑えられるという特徴があります。
合皮のメリット
合皮の最大の魅力は、扱いやすさと手軽さにあります。
合皮は水や汚れに強く、特別なお手入れをしなくても使いやすい点は大きなメリット。
軽量で価格も比較的手頃なため、「気軽に使いたい」「短期間で使い切りたい」という方には合理的な選択です。
合皮の注意点
一方で、合皮には寿命があります。
多くの場合、製造から2〜3年程度で加水分解が起こり、表面がひび割れたり、剥がれたりしてしまいます。 購入時にすでに製造から時間が経過している場合もあるため、実際の使用期間はさらに短くなることもあります。
また、素材の特性上、表面の樹脂層が劣化すると修理がほぼ不可能であり、劣化が始まると使い続けることはできません。
経年変化を楽しむというよりは、「一定期間使って役目を終える素材」と言えるでしょう。

「ヴィーガンレザー」という新しい選択肢
近年では、「ヴィーガンレザー」と呼ばれる素材も注目されています。
りんごやパイナップル、きのこなど、植物由来の素材を使ったレザーは、動物由来素材を使わないという点で、ひとつの価値を持っています。
ただし、「ヴィーガンレザー」という名称には、従来の合成皮革(PU/PVC)も含まれており、その場合の耐久性は一般的な合皮と同様です。
植物由来のヴィーガンレザーは、素材により5〜10年程度使えるものもありますが、まだ発展途上で、素材ごとの差も大きいのが現状です。
本革・合皮とは別軸の考え方として、動物由来素材を避けたい、素材選びに思想やストーリーを求めたいといった価値観を持つ人に、特に選ばれている素材です。

素材選びは「何を重視するか」で変わる
本革か合皮かを選ぶとき、大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、自分が財布に何を求めているかを整理することです。
たとえば、
- 軽さや扱いやすさを重視したい
- 水や汚れを気にせず使いたい
- できるだけ長く使い続けたい
- 使うほどに愛着が増すものがいい
こうした基準によって、選ぶべき素材が決まってきます。
まずは、自分にとっての「使いやすさ」や「心地よさ」を一度立ち止まって考えてみることが、素材選びの第一歩です。
「長く使う」という視点で見ると、選び方は変わる
素材選びを「長く使う」という視点で見てみると、選択肢の捉え方は少し変わってきます。
合皮は、軽さや手軽さを重視したい場合に向いています。
一方で、本革は修理しながら使い続けることができ、時間とともに表情が育っていく素材です。
買い替えの頻度が少なくなることは、結果的にゴミを減らし、環境への負荷を抑えることにもつながります。
「永く使うこと自体がサステナブル」
そんな考え方も、ひとつの選択肢です。

RUBATO&Co.が本革(栃木レザー)を選ぶ理由
RUBATO&Co.が長財布の素材として本革を選ぶ理由は、単に「高級だから」「風合いが良いから」というものではありません。
私たちが本革、とりわけ栃木レザーを選んでいるのは、永く使い続けることを前提にしたものづくりができる素材だと考えているからです。
革は、食肉の副産物として生まれる素材です。
私たちは、その背景にある素材をいただいた生き物の命へ、感謝と敬意を持つことを大切にしています。
だからこそ、必要以上に無駄を出さず、できる限り余すことなく使い切る。
時間と手間をかけて仕立て、永く使い続けてもらうこと自体が、レザーを頂いた生き物の命に向き合うひとつの形だと考えています。

また、栃木レザーは国内でも数少ない伝統的なピット槽製法を守り続けているタンナーです。
大量生産では難しい時間をかけた丁寧ななめしによって、革一枚一枚に個性が生まれ、使う人の手に馴染んでいきます。
RUBATO&Co.では、こうした栃木レザーの特性を活かすため、革の厚みや硬さ、仕立ての構造を細かく調整しています。

さらに、本革は「修理しながら使い続けられる」素材でもあります。
縫製がほつれたら直す。金具が傷んだら交換する。
そうやって手を入れながら使い続けることで、財布は単なる消耗品ではなく「時間を共にする相棒」へと変わっていきます。
新品のときの美しさだけでなく、数年、十年と使った先の姿を想定した設計に最適な素材として、私たちは本革、中でも栃木レザーを採用しています。
変化していくことを前向きに捉え、時間とともに深まっていくものを大切にする。
その考え方は、RUBATO&Co.が掲げる「時を、遊ぶ。」というテーマにも通じています。
だからこそ私たちは、永く使うほどに、その人らしさが刻まれていく本革を選び続けています。

素材の違いを知ることは、暮らしの選択を知ること
本革と合皮、それぞれの素材には、それぞれの役割と良さがあります。
扱いやすさや軽さを重視したいとき、短いスパンで気軽に使いたいとき。
そうした場面では、合皮や他の素材が合うかもしれません。
一方で、修理をしながら長く使い続けたい、時間とともに変わっていく表情を楽しみたい。
そんな価値観や体験を大切にしたい場合には、本革という選択肢が自然と浮かび上がってきます。
素材の違いを知ることは、「どちらが優れているか」を決めることではなく、自分が何を大切にして使い続けたいかを知ること。
その視点を持つことで、素材選びは、もっと納得のいくものになります。
「永く使うこと」を前提に選びたい方は、高品質な栃木レザーで仕立てたRUBATO&Co.の本革財布も、ひとつの選択肢としてご覧ください。



